(こちらの記事は、マーケティングホライズン2021年12月号『中国のお一人様経済圏』に記載された内容です。)
企業人として上海や北京に駐在した際に、とても魅力的な“お一人様”たち(男性、女性)と出会った。容姿端麗、社交性もあり学歴・社会的ステータスも伴った彼ら・彼女らが何故結婚しないのだろうと、不思議で仕方が無かった。そんな筆者自身の疑問を解き明かすために、本稿執筆を機会に、12名の“お一人様”に率直な質問をぶつけてみた(※ 対象者および調査方法を本稿末尾に記す)。
[質問項目]
(Q1)何故、独身経済が広がっていると思いますか?あなた自身と友人の状況に基づき率直に教えてください。
(Q2)何にお金を使いたいですか?どんなサービスがあれば嬉しいですか?
(Q3) 独身でいることの困りごとや不安はありますか?どのように解消をしていますか?
(Q4)独身者向けにサービスを行う企業へのアドバイスをお願いします。
※調査対象者と方法については、本記事文末参照。
(こちらの記事は、マーケティングホライズン2021年1月号『新型でいこう』に記載された内容です。)
2011年3月11日。津波ですべてが流されて平らな地面だけが残った映像のショックは10年経った今でも忘れることができません。今回のコロナ禍は人々の心にどのような変化をもたらしたのか。われわれは、人々のナマの声を直接聴こうと2020年10月に関東、関西計7283人に対しすべて自己記入式の調査を行いました。
■コロナ禍で「地面だけが残った」
この調査は、2019年2月、2020年1月に行った「ブランド生態調査」の枠組で行いました。これは衣・食・住・情報など11の領域で「好意を持つブランド」3つまでとそれぞれについて「その好意の理由」を自己記入で答えてもらうもので、それに加えて今回は特別に「コロナ禍の中での思い」を聞きました。特に2020年1月と比較して今回の結果の顕著な特徴は以下の2点です。
(こちらの記事は、マーケティングホライズン2021年1月号『新型でいこう』に記載された内容です。)
2020年は荒手の「新型」に世界中が振り回され、今尚、先が見通せず、予断を許さない状況の中にあります。そんな中、ホライズン2021年1号のテーマが「新型でいこう」に決まったのですが、素朴な疑問が浮かびました。それは、そもそも「新型」って何なのか?ということです。勿論、定義は人それぞれで、時と場合によっても捉え方が変わってくると思います。「新型」について、あれこれ考えてみました。
(こちらの記事は、マーケティングホライズン2020年12月号『コロナの炙り絵@LIFE』に記載された内容です。)
既に人々は折り合いを付けながら「withコロナ」の暮らしをおくっています。先行きの見えない不安の中で、感染予防策とともにある新たな暮らし方や楽しみ方。わたしたちの消費は、なんだかんだしぶといものです。
(こちらの記事は、マーケティングホライズン2020年12月号『アートで変える!』に記載された内容です。)
2種類のマーケター
マーケターには2種類のタイプがいる。1つは、データを鮮やかに駆使して生活者の求める最新のニーズを把握し、客観的データによって周りを説得し、PDCAサイクルを回しながら市場ニーズに対応していくタイプ。もう1つは、既存の概念に違和感を感じ、新しい価値観を持った商品やサービスを市場へと投げかけ、これまでにないライフスタイルを時間をかけて創造していくタイプ。
(こちらの記事は、マーケティングホライズン2020年9月号『DXの虚と実 Do or Die?』に記載された内容です。)
古い業界や老舗企業を含むデジタルトランスフォーメーション(以降DX)に、長きにわたり先駆的に取り組み、いまは江端浩人事務所 代表・エバーパークLLC 代表として企業のDXを支援し、デジタル・アクティビストとしてDXの教育・啓蒙に取り組む江端浩人氏に、お話をうかがいました。
江端氏は、世界で初めてインターネット経由でデジタルカメラの写真データをオンラインプリントできるサービスを展開したDigipri(デジプリ)を1996年に起業、2007年に公開の「コカ・コーラパーク」はユーザー数1300万人に至りオウンドメディアのパイオニアとして注目されました。現在は、株式会社スポーツニッポン新聞社のCDO(チーフデジタルオフィサー)兼特任執行役員やiU情報経営イノベーション専門職大学の教授としてもDXの実践や人材育成に携わっています。
(こちらの記事は、マーケティングホライズン2020年8月号『DX : 先行する生活者、日本企業は追いつけるのか』に記載された内容です。)
Twitter社で働き始めて、早いもので6年が経ちます。利用者として登録したのが2009年3月らしいので、社員として利用している期間の方が長くなろうとしています。入社以前は、広告代理店でストラジックプランニング業務に携わっていたので、「マーケターにとってTwitterはどのような存在か」というテーマに、まさにこの6年間ずっと向き合い、心血を注いてきました。
(こちらの記事は、マーケティングホライズン2020年7月号『根力と軸行力』に記載された内容です。)
専修大学での担当科目の一つに「技術経営戦略入門」がある。経営学部の講義であることから、細かい技術を追いかけるのではなく、技術動向を俯瞰的に理解したうえで、新しい技術の社会実装、普及させる為の戦略を考える講義設計となっている。
(こちらの記事は、マーケティングホライズン2020年4月号『男性消費図鑑』に記載された内容です。)
1.お小遣いの比較【図1参照】
男性の一か月あたりの平均は3.48万円(2019年)、トレンドでは各年代減少
1997年(消費税5%導入)から2019年(消費税10%導入)までの1カ月当たりのお小遣い(平均値)をみると、全体としては金額そのものが減少傾向にある、2008年のリーマンショックに平均値3万円台に落ちてからは、4万円台になることはない。
年代別にお小遣いの額を比較すると、特徴的なのは50代。1997年は、50代が最も多かったが、2014年ころからは、未婚率が高いだろう20代のお小遣いが最も多くなる。
50代については、会社での飲み会を嫌う若者などの増加の影響など、使う場面が少なくなったのか、もしくは、ファストファッションなど、価格が安い消費やサービスが増えるなかで、必要なお金が少なくなったともいえる。
男性60代以上では、他の年代と比較すると少ない傾向にある。高齢期に備える気持ちが強くなったこと、また、仕事第一に生きてきた同世代にとって、仕事がらみの付き合いが少なくなり、必要な金額が少なくなったことも考えられる。
女性の一カ月あたりの平均は2.14万円(2019年)、トレンドでは横ばい、緩やか減少
20代女性のお小遣い(平均)が最も多く、2019年で3.43万円。男性と比較すると、お小遣いは全体に少なく、金額は横ばいもしくは緩やかに減少傾向にある。また男性は60代以上のお小遣いが最も少ないが、女性では異なり、その額は40~50代と同程度である。金額はトレンドとしては少なくなっており、超高齢時代のなかでは使える金額はより限られると感じているのではないか。
女性はいつの時代も、使える金額は大きくは変わらない。一方で、楽しい消費が拡大しているようにみえるのは、彼女たちの情報共有や発信力が高いこと、また、お金を使うこと自体が彼女たちにとって是であり、効果的な使い方となっていることが考えられる。
2.具体的に何に消費をしているのか【図2参照】
一般的に働き盛りで消費対象が多い30~50代の状況を確認する。「お金をだすことに幸せを感じる相手(上位3項目)を確認すると、未婚男性では、自分自身にお金をかけることが最も幸せであり、一方、有配偶者の場合には、家族・親せきが多く、2番目が自分自身である。
女性も同様の傾向であるが、有配偶者の場合は、女性40代で、自分自身にお金をかけることが幸せを感じる人が多く、子育てや仕事のストレスとしての買い物を求める可能性がある。消費と幸せがつながっていることがわかる。また、女性50代未婚では、自分自身だけでなく、高齢期を見据えてか、「グループや友人」を「幸せを感じる相手」とあげる人が増えるが、男性では異なる。女性は消費が課題解決にもなっていることがわかる。
3.お金をかけている領域(上位5項目)【図3参照】
上位にあげられたのは、「自分の趣味、好きなこと」「食べ物」「旅行」「健康」「貯蓄」である。男女とも未婚・単身者はどの年代も、有配偶と比較すると、「自分の趣味、好きなこと」にお金をかける割合が高い。男性は40代で「自分の趣味、好きなこと」にお金をかける割合が高まるが、50代ではその割合が減り、「健康分野」が増える。
女性は、年齢を重ねるほど、「自分の趣味、好きなこと」への消費の割合が減る。特に50代になると、男性よりも「健康」にお金をかける割合が増える。年齢を重ねるほど、健康は生活を楽しむための前提である。
有配偶は、男女とも年齢が高くなるほど、「自分の趣味、好きなこと」にお金をかけるようになる。また、男性は50代になると、食べ物にお金をかける割合が少なくなる。これも、仕事上の付き合いが減ったことによるものなのか。反対に女性は増える。自分の趣味や好きなことと連動していることから、その一部であることも想定できる。
貯蓄について、未婚者は横ばい傾向、有配偶者は、40代で減るが、50代で増える。貯蓄にまわせる可処分所得があるかどうかの差といえよう。
4.後輩は今もおごってもらっているのか【図4参照】
お金を出して幸せな相手には多くあげてはいないものの後輩におごる文化は残っているのかをみると、20代では約3割を占めることがわかる。20~40代では、20代が最もその恩恵にあずかっていた。1カ月の平均は20代で8,769円と他の年代と比較して高い。
5.社会貢献消費と若者【図5・図6 参照】
数年前から、若者たちは就職を決めるときに社会に貢献する企業を好むといわれる。トップインタビューでは、これから若者がお金をかける分野として「エシカル消費」があげられた。では実際にはどのようにお金を使っているのだろう。
SMBC コンシューマーファイナンス株式会社「20 代・30 代・40 代の金銭感覚についての意識調査2020」をみると、20~40代男女は、「多少高くても、社会のためになる企業の商品・サービスを購入したい」という希望は3割程度である。
一方、本調査から実際に、「地球環境や人権などに配慮した商品・サービス」にお金をかけている割合を確認すると、20代17.1%、30代20%、40代18.4%となった。気持ちを行動にさらにうつすためには、商品カテゴリーや種類、そして価格帯がさらに多様になること、また、具体的な取り組みをわかりやすく知ってもらうことが重要となる。
クリックして拡大(図1~6)
中塚 千恵(なかつか ちえ)
東京ガス株式会社
日本女子大学文学部卒業、東京ガス株式会社入社。同社都市生活研究所で、約20年間、食、住まい、入浴、単身者、富裕層などのライフスタイル研究を行う。並行して、法政大学経営学大学院でマーケティングを学び、法政大学スポーツ健康学部では、スポーツマーケティング論を担当した。
現在は、CSR、環境、コンプライアンス部門を経て、東京ガス東部支店支店長。著作に「できる人の書斎術」(新潮社)など。