【ASEAN10ヵ国の若者リーダーが夢を語る<前編>】ブルネイ・カンボジア・インドネシア・ラオス・マレーシア

今後日本にとってASEANは最重要地域になっていくが、まだまだ日本とASEANの若者の文化交流はうまくいっていない。

日本の若者のASEANへの認知の低さはさることながら、親日国と言われているASEAN諸国の若者も日本に対して関心が低いケースも見受けられるのが現状だ。日本がASEANについて理解を深め、積極的にPRしなければならない段階に来ているのを感じる。


ASEAN各国でASEAN共同体についての認識を高める活動を行っている、「ASEAN Community」の各国若者代表の声をまとめたので、ご紹介しよう。


メディア産業で自国とASEANを発展させたい
ミディ(ブルネイ代表)
Muhammad Khairlil Hamidi Bin Haji Aminuddin


<1>ASEAN共同体と母国
 ASEAN共同体が出来ることで関係するすべての国にビジネスチャンスが広がり、さらに友情の絆が深まるだろう。そして各国で失業の問題に対処できるようになるだろう。


<2>ASEANと日本について
 個人ベースのコミュニティを活発にして異なった腕や経験を持った人たちが互いに学びあうようにしてゆきたい。ASEANと日本の結びつきをより強固なものにして交流を活発化してゆきたい。それぞれの国をよくするために若者たちがもっと力を合わせるべきだと思う。


<3>将来の夢
 自国の発展において、パイオニアと呼ばれるくらいの大きな貢献をしたい。まだまだどういった分野かは定まっていないが、メディア産業に貢献出来ればと思っている。また、家族や兄弟に対しては常に優しくありたいと思う。


いま外務省に勤務しているが、将来は旅行関係のビジネスを起業したい
ボリ (カンボジア代表)
Borivath Kem


<1>ASEAN共同体と母国
 カンボジアはガバナンス強化、インフラ整備、人材育成、研究開発などを通じ経済発展のスピードアップが必須である。ASEAN共同体形成が形成されることで、官民の連携が取れて政府が民間に資金や技術を提供出来る関係が築けると思う。また、教育も改善され、将来のリーダーが生まれる環境が出来るのではないか。また、訪問客も増え、観光業もより盛んになるだろう。


<2>ASEANと日本について
 ASEAN共同体は全てのASEAN諸国とりわけ発展途上のCLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ヴェトナム)諸国にメリットがあると思う。日本には、CLMV諸国に対し、積極的な人材育成・教育への投資をおこなってもらいたい。例えば、ローカルの若者を日本に招待し短期・長期のスタディーツアーを企画し、将来の母国でのリーダー教育を施すなどをしてもらえればと思う。また、カンボジア人元留学生の母国への帰国後のフォローアップなども行ってもらえればと思う。


<3>将来の夢
 自分の時間は仲間のコミュニティのために使いたい。何をやるか絞るのは難しいがベストを尽くしたいと思う。人々のために尽くしたいという私の夢の一部としてカンボジアの外務省で働き始めたが、同時にASEANコミュニティの若者ネットワークでボランティアもしている。
 私のもう一つの夢は多くの国へ旅をして、自分たちと違うものを知り学びたいということだ。


世界中を旅してその経験を後輩たちに伝えたい
ディアンサ(インドネシア代表)
Deansa Sonia Hefranessa


<1>ASEAN共同体と母国
 ASEAN共同体の設立によってインドネシアの学生が他のASEAN諸国へのアクセスが容易になるだろう。またASEAN経済共同体によって、自国の商品のクオリティ向上、そして他国との協力体制を築くことができ、それがインドネシアの発展につながるに違いない。


<2>ASEANと日本について
 日本は先進国であり、教育水準が高い。教育は将来のベースを作るにあたり重要であるが、ASEANの一部の国・地域では教育を受ける機会を与えられていない人々もいる。インドネシアでは、田舎の地域ではきわめて原始的な生活を送っている。教育の普及・改善により彼らのライフスタイルを改善させることが出来るのではないかと思う。日本にはASEAN地域と密接に連携し、ASEAN諸国の教育水準の底上げを期待している。


<3>将来の夢
 私は日本へのインドネシアの「大使」にもなりたいのです。日本は私にとって夢の国です。前回の訪問の時に、ずっとこの国にいたいと思い、今度来るときは長く滞在できればと思いました。
 もう一つの大きな夢は世界中を旅することです。異なる文化の人からは多くのものを学びます。私が東京に来た時にも本当にたくさんのことを学びました。世界の人々がどのように生きているのか、もっともっと知りたいのです。たくさんのことを学んだあとでインドネシアに戻り、その経験を後輩たちに伝えたいです。そうすることにより彼らは私たち以上に母国をよくするために働いてくれると思います。


私の夢は、ASEANの人々が平和に融和しながら暮らせること
サム(ラオス代表)
Sakthavy Xaobouddavong


<1>ASEAN共同体と母国
 ASEAN共同体によって、ラオスの産業の取引拡大、そして世界的に母国の製品が流通することになるだろう。さらに、海外からの直接投資が拡大し、技術援助やノウハウの共有がASEAN内で可能となる。また観光客も増加し、ますます母国が発展することだろう。


<2>ASEANと日本について
 日本には、ASEAN諸国への教育や福祉のサポートを期待している。またCLMV諸国に対してはインフラの整備、人材育成、技術協力なども期待。


<3>将来の夢
 私の夢は、ASEANの人々が平和にそして協力し、ASEAN諸国が安定と繁栄を手に入れること、それを見てみたい。
 

教育学を勉強中。いい先生になってASEAN各国で後輩を育てたい
ハリス(マレーシア代表)
Hareez Haiqal Bin Shaari


<1>ASEAN共同体と母国
 ASEANはマレーシアの外交政策において重要になっている。 マレーシア、そしてASEAN諸国は常に東西諸国との要所となることを願っている。世界的に近代化が進んでいる今日、経済・財政・教育の面での安定をはかるため、我々ASEANは団結し、そしてより良い未来、そしてマレーシアの更なる発展を願っている。


<2>ASEANと日本について
 日本が最もテクノロジーの発展した国ということで、ASEAN諸国の教育・医療・マネジメントなどにおける技術向上のための援助を期待している。


<3>将来の夢
 私の夢は、ASEAN諸国がより平和・安定・繁栄的な地域になり、政治的、経済的、安全保障と文化の面からも、成功する姿を見てみたい。そのためにも2015年のASEAN経済共同体設立を心待ちにしている。ASEAN諸国の統合は痛みを伴うかもしれないがチャンスとメリットはたくさんある。われわれも2015年のマレーシアで行われるASEANサミットの横で集まりたい。また、いま教育学を専攻中なのでいい先生になってASEAN各国で後輩を育てたい。


★後編(ミャンマー・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム)の記事はこちら>>https://www.jma2-jp.org/article/jma/k2/categories/480-mh150102

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