潜在価値開発Ⓡ 従来のマーケティング原理を超越する ①

私は約30数年に及ぶ長いマーケティングの経験の中で、その時々のマーケティングパラダイムを寄りどころにしてきたが、実践の過程の中でそれらの限界を感じ、それらを乗り越えるマーケティングの根本理論(パラダイム)を構築することが必要であると強く感じた。

それが、これからお話しする「潜在価値開発®」理論(※以下「潜在価値開発」)​の構築の動機となっている。

「潜在価値開発」は、長い私のマーケティング経験をベースに創り上げたものであり、欧米で開発された理論をそのまま持ってきたり、自分ではなく他の方のやった事例をまとめたりしたものではない。

そして私が5年前に創業したマーケティング会社「ビモクリ」での様々な実践の洗礼を受けて進化し確立した血肉が通ったものである。「潜在価値開発」は従来のマーケティングの根本理論(パラダイム)を乗り越え、マーケティングの新しい地平を開く挑戦的な試みである。

「潜在価値開発」をバックグラウンドとする「潜在価値マーケティング」が乗り越えようとしたものは、

①マスマーケティングのSTP理論
②競争戦略理論
③消費者インサイト論
であり、それとともに、
④時代の最先端であるデジタルマーケティング
 
の今後の進展を俯瞰し、今後顕在してくる問題の解決を図るためのものである。

さて、本来であれば時系列的な順序で語るべきであろうとも思うが、今後の問題を共有するという意味で、まずは現在の皆さんの興味関心が高いデジタルマーケティングから語り始めるとしよう。


デジタルマーケティングを超えて
-やはり鍵となるのは、コンテンツ

平成30年3月に日本マーケティング協会で、「潜在価値開発」のセミナーを実施したときに、「あなたの会社のデジタルマーケティングの現状はどうですか?」と聞いたところ、約90%の企業が「取り組んでいるがまだ十分な成果がでていない」という結果であった。

このセミナーに参加されたのは、いずれも日本を代表する大企業で、マーケティングに優れているといわれている企業も多かったが、そんな現状であった。

では、今後これらの企業がデジタルマーケティングツールの使いこなしに慣れ、最適化が図れていけば、成果が上がってくるのであろうか。ニューヨークタイムズ紙は2014年10月30日号で最近の過剰なセグメンテーションとクリエイティブの不足がもたらす問題を指摘している。

「本格的なビッグデータ時代を迎え、一部の企業は、自らが推し進めた高度な技術的進展に首を絞められる状況になっている。単純な話だが、データとアナリティクスによって極めて精度の高いターゲティングが可能になっているものの、それに対応した効果的なメッセージを生み出すことができていない。

これはデジタルマーケティングの先進国アメリカで起こっていることであり、日本においてもデジタルマーケティングがさらに進展すると、より顕在化してくることであろう。

効果的なメッセージをいかに生み出すか。私の問題意識もここにある。いずれ起こってくるこの問題をいかに解決するかの私の回答が、「潜在価値開発」なのである。


伝統的マーケティングを超えて
-マスマーケティングのアンチテーゼ

もともと「潜在価値開発」は伝統的なマスマーケティングへのアンチテーゼとして発想された。デジタルマーケティングが今のように発達する以前から、従来のマスマーケティングの発想では、「効果的なメッセージ」は生み出せないと考えていた。

マスマーケティングの発想は、大多数に広く目立つように告知して最後にどれだけ歩留まりするかというトライアルユーザーづくりの発想である。これは人口が増加し、新規顧客が増えてくる日本の20世紀には有効に機能したが、21世紀に入り、人口が減少し、新規顧客の発生が減少するという時代にはだんだん機能しなくなる発想である。

私はマーケティング戦略家として、リサーチを通じて顧客と長く向き合ってきた結果、10数年前からマスマーケティングと真逆の発想で考えてきた。顧客と深いコミュニケーションをしてはじめからヘビーユーザーをつくり、それを核として広げていくというマスマーケティングとは真逆の発想である。

20:80の法則ということが言われる。20%の顧客で80%の売上を占めるという法則だが、ビモクリの顧客企業のユーザーで突っ込んだ分析をしてみると、5%の顧客で50%の売上、もっといえば1%の顧客で20%の売上だったのである。

つまりトップ1%の顧客は20倍の購買力をもっているということである。前職の乳酸菌メーカーの店頭の顧客でも同じような分析をしたとき、ある店舗で300人の顧客がいて、トップの1人の顧客で9%の売上だった。

つまりトップ0.3%で売上の9%。30倍の購買力である。ヘビーユーザーをつくることがいかに大事かということがわかる。にもかかわらず、マスマーケティングでは、すぐ流出してしまうようなトライアルユーザーづくりばかりしている。

それも仕方がなかった面もある。ヘビーユーザーづくりの発想も方法もなかったからである。そこではじめからヘビーユーザーをつくりにいくというアプローチを始めたのである。


潜在価値開発Ⓡ 従来のマーケティング原理を超越する ②をご覧になりたい方はこちら
https://www.jma2-jp.org/article/jma/k2/categories/442-mh1806ad


平野 淳(ひらの きよし)
元ヤクルト本社広告部長。1981年、ヤクルト本社入社、一貫してマーケティングを担当する。その中で、独自のビジネス理論である「潜在価値開発Ⓡ」理論を開発し、数々のプロジェクトを成功させる。2013年ビモクリを創業。独自理論をベースに大企業を中心に顧客が確実に成果をあげるマーケティングコンサルティング​を提供している。


【お問い合わせ先】
株式会社ビモクリ
東京都港区南青山3-1-3  スプライン青山東急ビル6F
E-mail: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
電話:03-4577-8999(代表)
HP:http://bimocre.com/

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