SNSの作法:森美術館になぜ人が集まるのか

森美術館エントランス 森美術館エントランス

(こちらの記事は、マーケティングホライズン2020年8月号『DX : 先行する生活者、日本企業は追いつけるのか』に記載された内容です。)

意外に思われるかもしれませんが、日本の展覧会の観客動員数は、世界トップレベルです。森美術館は日本の美術館の中で最大規模のフォロワー数を獲得しています。あえてインスタ映えを狙わずにお客様の共感を得ている、森美術館SNS管理者 洞田貫晋一朗氏に、お話を伺った。

 

片平 2000年頃に大方の企業のウェブサイトが出揃い、2010年あたりからはSNSが本格化してきました。ブランドはこういった新しいタイプのメディアとどう向き合ったらいいのか、はマーケターにとって20年来の大きな課題かと思います。今はTwitterやInstagramなどが生活者にとって当たり前のメディアになってきました。ブランドもその世界に入って行って生活者と同じ空気を吸うことが求められています。この問題を考えるに当たってぜひ読んでおくべき本があります。この本=『シェアする美術』(翔泳社;2019年)です。これは私にとって貴重な教科書なので、その著者洞田貫さんから直にお話をお聞きできるのはとてもうれしいです。
 まず、洞田貫さんが現在に至るまでどのようなキャリアを歩んできていらっしゃったのかお話いただけますか。


洞田貫 もともとまちづくり、デベロッパーに興味があったのですが、大学を出てからさまざまなことにチャレンジしながら、森ビルの施設を運営する会社に入って、そこで責任者を3年ほど務めていました。その後、縁あって森ビルに入社しました。実際は、都市開発ではなく、文化事業に携わる部署から始まり、展望台の運営や広報、ギャラリーの営業などを担当しました。そして5年ほど前から、美術館のマーケティングを担当しています。

 


トライアルアンドエラーの連続


 

片平 この本をお書きになった経緯を教えていただけますか。


洞田貫 美術館のSNSのマーケティングをきちんとやり始めてから2年ほどで急速に効果が出てきて、講演をいくつか頼まれるようになりました。その講演の参加者の中に翔泳社の方がいらっしゃったのですが、美術館からマーケティングというのは今までにない切り口なのでぜひ本にしたいとオファーしていただき、引き受けさせていただきました。


片平 2015年に美術館の広報を担当される以前からSNSに携わられていたのでしょうか。


洞田貫 美術館の前に担当していた展望台の広報でもSNSを少し担当していました。ですが、展望台は美術館と異なり、景色を訴求することがメインで、投稿にストーリーをどう作るか、という点が難しかったです。また、当時から個人的にmixiやFacebook等、様々なSNSにチャレンジしてきていたので、それは今の仕事に役立っているように思います。


片平 当時、SNSマーケティングというのは完全に未知の世界で、色々とトライアンドエラーだったと思います。担当した当初はどのようなことをお考えになっていたのですか。


洞田貫 マーケティングだけでなく、美術館という施設も未知でしたが、着任した当初からやってみたいこと、試したいことが沢山ありました。森美術館は、現代美術をメインにしている美術館で、最新のテクノロジーを取り込もう、試していこう、という素地が元々あって、キャッチアップもとても早いので、組織の風通しといいますか、トライする環境は整っていました。ただ、一方でさまざまな経緯もあってデジタルではない作業や管理も沢山あります。そのバランスの中でできる部分を最適化して、社内もお客さんも味方にしながら、より多くの人が来館するプロモーション施策、戦略を練って共有をするところから始めました。


片平 デジタルだけではなく、人を動かすというのは本当に大事ですよね。その後はどうなさったのでしょうか。


洞田貫 今思うと、私がウェブ(公式ウェブページ)担当でなかったことは幸運でした。私があまりウェブサイトを見ない人間というのもあるのですが、情報はSNSだけで完結した方がユーザーにとって親切だろうと思っていました。だから、公式ウェブページに誘導するようなマーケティングではなく、SNSの中だけで情報が完結できるようにしたいと思っていました。

 


オープンな美術館のためのクローズドな努力


 

片平 写真撮影OKというのはどのように実現したのでしょうか。


洞田貫 森美術館は、2009年頃に撮影を解禁しました。当時はブログ等で個人が情報発信するようになってきた頃で、前館長で特別顧問の南條史生が、撮影可能になっている海外の美術館の取り組みに関心を持っていたことがきっかけです。実際は、様々な著作権に関する勉強会や、手続きを経て、撮影を解禁したと聞いています。
 当時はまだInstagramもない時期だったので、マーケティング的な恩恵は今よりも大きくはなかったと思います。2015年に私が着任してから、まずはじめたのが、写真撮影OKを全面に打ち出す戦略でした。入り口にサインを出したり、公式のハッシュタグを作って投稿をしやすい環境を整えました。


片平 美術館のマーケティングに着任してすぐに変革をおこされて、周囲から反対を受けるようなことはありませんでしたか。


洞田貫 特にはありませんでした。着任してすぐに、美術館の出口にiPadを4台置き、来館の動機になったメディアや来館者の層を知るためのアンケートをとり始めました。そこで得られていく日々のデータは、社内の理解、目的や方向を考えるという点でも非常に役に立ちましたし、戦略の分析もできるようになりました。また、アンケートはウェブ形式にしたので、気になる方は誰でも、すぐPCから回答内容を見ることができたというのも良かったのではないかと思います。


片平 エゴサーチなどはされるのですか。


洞田貫 ハッシュタグでよくしていますね。沢山の感想が投稿されているので、展覧会が開幕したあと、前半にデータを取って美術館の中で共有しています。投稿に上がっている感想をポジティブとネガティブに分けて分析もしています。


片平 きっと、そういう発信に向けて、裏側の仕事はかなり大変ですよね。


洞田貫 発信より内側の仕事の方が多いと思います。仕事の分量は、社内の仕事が7で、外に発信するのは3しかないという感じですね。

 


ライブ配信が話題に


 

片平 Instagramを拝見したのですが、館長の方が解説する動画がとても盛り上がっているようですね。


洞田貫 そうなんです。コロナで美術館に来たくても来られない方が沢山いる中で、今、自分たちに何ができるかを考えまして、実験的にInstagramでライブ配信をやってみました。海外の人も含め、「いいね」や感謝のコメントなど、非常に多くの反応をいただけてとても嬉しかったです。


片平 一部のコメントを読んだところ、「解説込みで作品を見ると普段にはない楽しみがあった」、「初めてしっかりと美術館を見た」という意見があったり、また比較的若い層のコメントが多く見られたように思いました。あの動画を見て、美術館に行ったことがない人でも関心を持ち、リアルの美術館に行きたくなる、というような良い循環が起こる起爆剤になっているのではないでしょうか。


洞田貫 そうですね。解説をしていた前館長の南條は、展覧会の企画者でした。これがコロナで思わぬかたちで臨時休館になってしまったこともあり、多くの人に伝えたいという意思がとても強かった。それに加え、今回は入り口から出口までノーカットでツアー形式のライブ配信をしたので、飽きられにくく、途中で離れられることも少なかったのではないかと思います。


片平 動画は最初の数秒が命だと洞田貫さんも書かれていましたが、あの動画は20分ということでやや長めでしたけれど、動き回ることでぐいぐい引き込まれるという、素敵なやり方だと感心していました。


洞田貫 毎度トライアンドエラーなので、とりあえずやってみる。今回の経験も次回以降に活かそうと思っています。

 


革新的な試み①”Instagram広告


 

 片平 洞田貫さんがやられていることで特に面白いと思ったのは、ウェブではなくInstagramのトップページに誘導する広告と#emptyのイベント(閉館後にインスタグラマーを招き、展示風景を自由に撮影・シェアしてもらう催し)です。この2つの背景を教えていただけますか。


洞田貫 SNSを動かす上で、フォロワー数が一定数以上ないと効果が薄いと思ったのですが、当初Instagramはフォロワー数を増やすような広告がなく、美術館がInstagramアカウントを持っていることをお知らせできていなかったんです。私はInstagramのトップ画面の9枚の写真には拘っていたので、それを見てもらえれば美術館のアカウントをわかってもらえて、フォローしたいと思っていただけるだろうと考えたんです。そこでトップページをなんとか見てもらおうと、そこに誘導する広告を出したところ、驚くほどフォロワーが増えました。広告は海外にも出したので、国際的にアカウントの知名度も高まったと思います。


片平 最初はどのくらいのフォロワー数だったのですか。


洞田貫 最初はもちろんゼロからです。フォロワー数2~300くらいを行き来しながら試行錯誤をしながら投稿を続けていきました。なかなかフォロワーが増えない山が途中にいくつもあって…その難関を超えながら今に至っています。


片平 ではもうInstagramに関しては洞田貫さんが産んで育てたような形なのですね。洞田貫さんがご担当になるまで他のSNSはやられていたのですか。


洞田貫 TwitterとFacebookはすでに開設して運用していました。ウェブも以前からやっていました。
 とくに美術館のウェブサイトはしっかり作られているので驚きました。


片平 なるほど。ウェブとSNSはコンテンツが被る中で連携や相談などはあったのでしょうか。


洞田貫 基本的にはウェブのコンテンツをSNSが拾いあげていく形です。ウェブはテキストが出来上がっていて少し堅いですが、SNSはそこまで堅くせず使っているので、ウェブから情報を拾いつつもウェブにはない情報・写真を加えるというような工夫をしながらやっています。


片平 SNSというと裏側に人がいて、その人から語りかけられているような感じがないとうまくいかないと思うのですが、そこはいかがでしょうか。


洞田貫 そうですね、堅くしすぎると機械っぽい印象を与えるので、塩梅が大切ですね。かといって、美術館なので、ゆるくしすぎて信用を失ってもいけない。難しいところです(笑)。

 


革新的な試み②#empty


 

片平 もう一個の#emptyについて、仕掛けも含め、実現した経緯を教えていただけますか。


洞田貫 森美術館は平日22時までやっているのですが、火曜日のみメンテナンスなどで17時に終わるので、夜に空き時間をどのように使うかを考えていました。もともと、閉館後にインスタグラマーを招き、展示風景を自由に撮影・シェアしてもらう#emptyというものの存在を知っていたので、また美術館のInstagramも伸びてきていたので、まさに写真撮影がOKな森美術館で#emptyをやろうと思いました。Instagram社さんにも相談しながら、インスタグラマーさんに自由に写真を撮ってもらうというよりは遊んでもらうようなイメージでした。実際、初回は、インドの現代アーティストの展覧会でしたが、この時は、自由な撮影だけではなく、参加された方に、アーティストの出身地の南インドのカレーを再現したメニューを食べてもらったり…(笑)。フォロワー数や広告効果は全く気にせず、本当に楽しめるイベントとしてやりました。日本の美術館で初の試みであること、そういうことができる自由で開けた美術館であるということに意味があると思っていました。


片平 洞田貫さんらしいですね、「発信してね」みたいな下心がない。どうやって募集して来てもらったのですか。


洞田貫 Instagram社を通じてご紹介いただいたり、全体に対して公募もしました。その時は、「閉館中の美術館で自由にInstagramあげませんか?」というような形で呼び込みました。#emptyという言葉もいれていたかな…。海外で行われているイベントを日本で初めて開催するんですということも押し出したと思います。


片平 応募が多すぎてお断りするということはなかったのでしょうか。


洞田貫 募集に対して応募が多かったので選ばせていただく形にはなりましたが、フォロワー数で選ぶということはしませんでした。

 


「インスタ映え」は狙わない、言わない


 

片平 少し話は変わるのですが、洞田貫さんが著作でおっしゃっている中でも特に僕が気に入っているのが、「“インスタ映え”という言葉が作為が入りすぎていて、正直気持ちの良い言葉ではない気がしています。」という記述です。マーケティングの作為が入らないようにというのは、僕自身も強調したいことなのですが、洞田貫さんは何を心がけているか、伺ってもよろしいでしょうか。


洞田貫 メディアにも「インスタ映え」と取り上げられるのですが、施設やコンテンツを持っている側からはそれをあまり言わない方がいいのではないかと思います。例えば、江戸時代の史跡を運営している側が、来てくださる方に対して「“江戸っぽい”でしょ」と言うのは失礼だと思うんですよね。来ている人はそれを当然知っているし、それを感じたいから来ているけれど、敢えて言われると少し違うと思います。ユーザーへの敬意、みたいなところが本当に大切だと思っています。


片平 いいですね。西陣織の老舗や木桶の名匠の方々が海外企業と積極的にコラボするなど、最近日本の伝統工芸の中にも海外で存在感を増しているケースが増えているのですが、その方々は、「和」を押し出しすぎてはいけないと言います。それは本来滲み出るものであって、まず何も言わないでモノだけで勝負しなくてはいけない。ユーザーが素晴らしいと思ったものが後で「実は日本からなんですよ」と言われると、「さすが!」となるけれど、最初から「日本、日本」と叫ぶようではダメ、というわけです。洞田貫さんのお話と共通するものを感じます。

 


SNSの個性


 

片平 Twitterはどう使っているのか、他のSNSと比べたTwitterはどうなのか教えていただけますか。


洞田貫 Twitterは拡散力があるので、人に知ってもらう、伝えるという目的の時、SNSとしてピカイチで、なくてはならない存在です。知ってもらうことが一番大切で、知ってもらってから、興味がある人は他のSNS等でより深掘りしてもらうという順序なので、FacebookやInstagramももちろん使うのですが、Twitterを一番使っていますね。Instagramは写真などでブランド浸透に繋がるもの、Facebookはウェブページに近いものと捉えています。Twitterは最初の2~3行はとても読まれていて、そこで引っかかる人には引っかかるようになっているので、やはり知ってもらうにはベストなツールですね。それと、Twitterは拡散力が強いだけに、人々の心の動きがよく見えるので勉強になります。そういう特性は他のSNSにはないですね。


片平 写真を撮ることで、美術を鑑賞する体験が変わるとおっしゃっていたのですが、同様にTwitterも自分の感動をリアルタイムで共有できるということで別の感動体験を生み出していると思っています。アンケートを取られている中で、新しい価値を感じられたことはありますか。


洞田貫 それは、とても感じています。アンケートの中で、あがっているコメントに対してまた意見が生まれたりして、共感する人同士でコミュニティが発生していました。美術は感じ方に個性が顕著に出るのですが、それが集まってコミュニティになるというのはSNSというシステムだからこそできている面白い現象だと思います。


片平 TwitterにはFacebookやInstagramにはないスピード感があると思っているのですが、その点はどうでしょうか。


洞田貫 ありますね、人々の頭の上に吹き出しがついていて、思っていることがそのまま可視化できるイメージです。

 


新しい世界と新しいコミュニケーション


 

片平 消費者に直に聞くブランド調査をやっているのですが、そこで発見したのが、好感度の高いメディアとしてTwitterやInstagramを挙げている人たちは、激落ちくん、ウタマロ石けん、IKEAへの好感度が高いのですが、誰もが知っている大手消費財ブランドを好感ありとして挙げている人は少ないんですね。かなり世界が分かれてしまっている。この特集の大きな趣旨というのはそのような大手消費財ブランドの方に対して、10年も経ったらあなたが住んでいるマスメディア中心の世界は無くなってしまいますよ、だから一刻も早く森美術館のようになってほしい、と伝えることなんです。もちろん、そういった企業もSNSなどの開設はしているのですが、なかなか活性化してこない。その中で、Instagramでのご経験を踏まえて、どういう心構えでやっていけばいいか、何かアドバイスはありますでしょうか。


洞田貫 今いただいた質問で思いついたのが、信用の変化ということです。SNSの伝わりやすさで信用が変質してきています。例えば、どこかレストランに行く理由も、TVで紹介されていたからではなく、食べログで普通の人の評価が高いからに変わっていて…中国で流行っているライブコマースも、雑誌ではなくこの人が言っていたから買ってみようということなんですよね。なので、信用が勝ち取れるような商品を作って、信用できる・嘘がつけないツールに載せて、ユーザーからもよかったよという口コミが発信されて、信用が循環していく。そういう仕組みを分析して作っていくことが、誰もが発信できて、スピード感溢れる現代においては、より重要だと思います。


片平 確かにそうですね。何億円かけて発信しているから安心できるみたいな“間接的な信用”でなくて、自分の体験や知っている誰かのおすすめという“ライブ感のある信用”が重要なのかもしれませんね。


洞田貫 そうですね、ユーザーからの具体的な体験談が発信されたら、何億円かけたようなCMよりずっと効くと思います。


片平 お客さんからの反応が一つ励みになっていると思うのですが、組織内での熱の還流の仕組みというのはどうなっているのでしょうか。


洞田貫 そうですね、デベロッパーというところで、美術館が特殊な部署、という部分もありますから、社内の還流は正直難しい部分もあります。ですが、一生懸命情報が行き渡る努力しています。その成果として森美術館のSNSは一目置かれる存在になってきています。ただ、SNSを上手に運用していることは伝わっているけれど、どういうふうに成果をだしているのか、まで理解されるのにはまだ時間がかかると思います。スマートフォンが出てからの流れがあまりに急だったので、おそらくSNS担当者ならみんな、会社の中での理解という点で苦労していると思います。それでも、少しずつひらけてきたように思います。

 


デジタル世界の「まちづくり」


 

片平 最後に、最初はまちづくりから始まって、今やマーケティングに移られて、今後こういう世界で生きていきたいだとか、まちづくりへの夢はどのようになっているのか、など教えていただけますか。


洞田貫 美術館のマーケティングをやっていて、まちづくりには文化が重要だなということを、デジタルの場でも実感するようになりました。街も居心地が良くないと街として成立しないのですが、デジタル空間でもそれは変わらない。デジタル空間のいわば広場であるSNSのタイムラインがより文化的に、居心地良くなっていけば、巡り巡ってみんなが良い方向にいけるのではないかと信じています。デジタルの中で、そのアカウントに行くと、クリエイティブが刺激され、心が豊かになったり、仕事にいい影響が出たりすればいいなと思います。これはリアルの美術館と一緒です。いまは、デジタルの社会になって、心がつながり合えるからこそ誹謗中傷が生まれたりもするのですが、逆に共感だったり知識のシェアもできるし、そういったところには、まちづくり・文化づくりのノウハウが生かせるのではないかなと思います。まだSNSの歴史も浅く、まだまだ手探りではありますが、デジタルの中で、ほっとできるような空間がつくれるように、旗を振っていきたいですね。


片平 街に文化があるというのは、今までコンサートホールがあるとか美術館があるとか、そういうレベルだったけれど、森美術館のようにSNSを通じて新しいコミニュティができていって、より深い文化を産んでいくと思いますね。森美術館の動画を見ていると、みんなで教え合っていて、本当に素敵なことをしていると感じます。私は東京21世紀管弦楽団というクラシックの楽団の立ち上げをお手伝いしているのですが、いまクラシックのお客さんの年齢層がとても高いんですね。だから、私の今の夢は、森美術館みたいに、自然な流れで感動が他の年齢層に広がっていくことです。


洞田貫 伝統芸能も同じですよね。浄瑠璃だとか、歌舞伎だとかSNSで広報されて、若い人で見ている方もいると思うんですけど、ユーザーの年齢層が高すぎたり、かなり絞られていると感じます。より新しい層を引き込まないと、20年後はどうなっているか分からないので、そこは危機感をもって発信をしていくことが大切なのではないかなと思います。


片平 貴重なお話をありがとうございました。


(インタビュアー : 片平 秀貴 本誌編集委員長)

 



洞田貫 晋一朗(どうだぬき・しんいちろう)
森ビル株式会社 森アーツセンター 森美術館 マーケティンググループ プロモーション担当 シニアエキスパート
1979年生まれ。東京都出身。2006年、森ビル株式会社入社。
六本木ヒルズの展望台、ギャラリーの企画・運営、広報などを経て、現在は森美術館マーケティンググループに所属。森美術館のデジタルマーケティング、プロモーションを担当。デジタルマーケティングを美術館に積極的に取り込むとともに、多様なターゲットに広くリーチする企業SNSの運用方法を研究。SNSの運用についてセミナー講演も多数。
【写真左】著書に『シェアする美術 森美術館SNSマーケティング戦略』(翔泳社)。
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