巻頭言

愛と美しさを 信じ、守り抜く 〜私たちのゆずれない姿勢〜

コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻により、想像し得なかった事態が度重なる昨今、メディアを通じて、目を疑う悲惨な状況を見るたびに胸が痛む日々が続いています。

子どもたちが青空の下、笑顔で走り回る屋根の下で、あたたかいご飯を食べる電気の灯る部屋で、安心して勉強や仕事に取り組めるそんな、目の前にある“何気ない幸せを感じる暮らし”は、当たり前ではないのだな、と感じる機会が増えました。

これから先、子どもたちの時代にも当たり前に続いていって欲しい、この“何気ない幸せを感じる暮らし”。それを続けていくためには、一人ひとりが未来を信じ、守り抜く姿勢が必要なのではないかと考えます。

本号では、愛と美しさが宿る“アート”を通じ、私たちの「暮らし=消費の在り方・働き方・生き方」をあらためて見つめてみたいと思います。ここでの“アート”とは、芸術作品という意味合いではなく、生きていく上での「ゆずれない姿勢」、「拘り」そのものです。

今回、分野の異なる個性豊かな方々から、多角的に本テーマに沿ってお話しをしていただきました。先の見通せない時代、みなさまにとって新たな視点を得る、そんなきっかけになれば幸いです。

 

本誌編集委員 蛭子 彩華