【全国から大学生が集うまち鯖江】何が学生達を惹きつけているのか

「リーダーとは何かと考えたことはありますか? 本当のリーダーに求められる資質は何か考えたことはありますか? その答えがここにあります。

日本を考える上で大きなテーマの一つ、地域活性。本気でこれからの日本を背負うリーダーになっていきたい学生のために用意しました。それが、「鯖江市地域活性化プランコンテスト -Be a Mayor of Sabae City-」。あなたが鯖江市長になって鯖江の未来を創るコンテスト。全国から明日のリーダーになる人材を募集。あなたのプランが明日の地域活性に繋がるかもしれない。自分の可能性に挑戦し、日本を元気にしたい学生のご応募をお待ちしています。」


鯖江市地域活性化プランコンテストのホームページに掲載しているメッセージです。大人の本気が若者の本気を引き出し、そして地域を変えます。

 
鯖江市地域活性化プランコンテスト
「市長をやりませんか?」というキャッチコピーで2008年から毎年開催してきた鯖江市地域活性化プランコンテスト。これまで11回開催し、今年で12回目になります(2019年9月14日~16日開催予定)。


これまで継続して開催してきたことで、現在では様々な雑誌や本、新聞などで地域活性化モデルの成功例として取り上げていただけるまでになりました。鯖江市地域活性化プランコンテストは、全国の学生に参加者を募り、書類選考・面接選考を通過した24名(3人×8チーム)の学生が鯖江に集結。


2泊3日の合宿を行い、その間に鯖江の活性化策を市長になったつもりで考案し、合宿最終日に市中心地にあるお寺(本山 誠照寺)で市長や鯖江商工会議所会頭、企業、市民の皆さんの前で発表するというものです。


北海道から九州まで全国各地から学生が参加し、これまでに267名の優秀な学生達が鯖江の活性化プランを提案しています(主な大学 ※参加者数の多い順:京都大学 53名、東京大学52名、慶應義塾大学 39名、早稲田大学 33名)。


交通費は一切出していません。賞金も出ません。それでも、全国の学生達は自腹で鯖江までやってきて、全力で鯖江の為の活性化策を提案してくれています。また、参加した学生達は鯖江のファンになり、社会人になってからも今度はスタッフとなって継続的に関わってくれています。


よく、なぜ鯖江に優秀な学生達が集うのですか。と聞かれます。そしてその学生達が社会人になってからもなぜ鯖江に関わり続けるのか。と。答えはシンプルです。「鯖江の大人が本気で彼らと向き合うから。」そして、彼らが活躍できる場を創っているから。


プラン実現にコミット
学生達が提案したプランは、机上の空論で終わらせるのではなく実現させることに第1回からコミットしています。鯖江市では提案を企画部局で取りまとめ、その内容に応じて所管の部署に送付します。各部署では提案内容の実現可能性や課題などを精査。


その後、政策会議で協議の上、その結果を「具現化検討結果」としてホームページ上で公開しています。自分達が提案したプランに、行政が真剣に向き合ってくれる。これは学生達のモチベーションが上がります。


ただし、このコンテストは政策立案コンテストではありません。また、鯖江市には「市民主役条例」という市民が主役であるということを明確にした条例があります。行政が事業化したとしても、結局は市民を巻き込めなければその事業はうまくいきません。いかに市民の方々が「やりたい!」と思えるプランを提案するか。市民が主体的に動くプランを提案してもらっています。


そのため、行政だけがプランを実現するのではなく、やりたい人、やりたい団体が実現すればいいというスタンスで、提案内容はオープンになっています。


これまで10プラン以上が鯖江市や市民団体、地元学生により実現しています。鯖江の大人たちは、学生達の提案を提案だけだと思っていません。第1回の時から共にプランコンテストを創り続けてくれている商店街の方々、そして行政も、実現させていくことを前提に2泊3日の合宿期間中、学生達と本気で向き合いアドバイスしています。学生達が一生懸命考案し提案してくれたプランを実現させていくのは自分達だ!という意識でいます。


本気で鯖江に乗り込んでくる学生と本気の大人がぶつかり合うことで、たった2泊3日ですがとても密な時間を過ごすことになり、感動した学生達は結果、鯖江が大好きになってくれます。


そして、自分の地元でもやりたい!と、鯖江と連携しながら自分の地元でプランコンテストを開催している学生もいます。鯖江の本気が日本各地に広がっています。


地域の担い手育成(学生団体with)
私が最も力を入れている事が、地元学生の育成です。全国からやってくる熱量の高い学生達に刺激を受けた地元の大学に通う学生達は、学生団体withという団体を創り鯖江を舞台に地域活動をするようになりました。設立は2011年。今年で9年目になりますが、今では鯖江市地域活性化プランコンテストを主体的に運営し、企画から広報、そして協賛営業まで自分達で行っています。


学生団体withの地元学生達にとって、鯖江市地域活性化プラコンテストは起爆剤です。「プランコンテストに参加する都会の学生はこうだから、こうしなければならない」と押し付けるのではなく、自ら気づき、主体的に動くきっかけを与えています。


様々なきっかけや経験できる場がある都会と違い、地方は大学の数も少なく、あっても郊外に大学がある場合が多いため、学生は大学内に籠ってしまいがちです。


いざ就職活動の時になっても、何の経験もしておらず、社会人とメールのやりとりさえしたことのない地方学生は、経験豊富な都会の学生達に敵うはずがありません。また、何のスキルもないまま社会人になったとしても、企業にとっては即戦力になり得ません。


福井の大学に通っている事がマイナスになってほしくない。そのために、様々な経験ができる「場」、学生達が活躍できるフィールドを鯖江に創っています。


今や学生団体withは、商店街や市役所などからも頼られる存在になりました。お金がもらえるわけではありません。大学の単位がもらえるわけでもありません。しかし、鯖江に通い地域活動をしてくれていて9年続いています。ここでも鯖江の大人たちは、学生達がやりたい事ができる場を創出してくれています。


そして鯖江市地域活性化プランコンテストが12年も続けられているのは、学生団体withがいるからです。学生団体withが、プランコンテストに参加する学生達が良いプランを提案できるよう、鯖江の大人たちと共に全力で運営しています。


鯖江の大人たちのおもてなしの心が伝染し、何も指示していないのに、自分たちができる精一杯のおもてなしを行っています。次の世代が育っています。そのひたむきな地元学生の姿に打たれた全国の学生達は、学生団体withの助けになりたい!と毎年手伝いに帰って来てくれます。


もともとは、私が一人で鯖江を駆け回り開催にこぎつけた鯖江市地域活性化プランコンテストですが、突然やってきた私を受け入れ、そして共に本気になって創り続けてくれている鯖江の大人たち。今ではほとんどのことを担って運営してくれている学生団体withの学生達。多くの仲間ができました。


私の本気に巻き込まれた人もいるかと思いますが、私は鯖江に巻き込まれました。最初の2年間は東京で働きながら遠隔で開催していましたが、東京での仕事を辞め故郷鯖江に帰り、鯖江という場で地域の担い手の育成に取り組んでいます。仕組みだけで地域は変わりません。若者も変わりません。どれだけ大人が本気で地域に、そして若者に向き合うか。これだけです。

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竹部  美樹  (たけべ  みき)
東京のITベンチャー企業で働いた後、2008年より鯖江市地域活性化プランコンテストを開催。
2010年より地元鯖江に戻り、地域を担う人材を育成するとともに、若者が活躍するフィールドを鯖江に作るべく地元学生と共に活動。
2015年からはSAPジャパン等賛同企業の支援を受けながら、IT×ものづくりの拠点「Hana道場」を運営。鯖江、日本、そして世界で活躍するITものづくりの担い手育成と、伝統の“ものづくり”と“最先端のIT”を掛けあわせ、イノベーションを起こす場所を創造中。
総務省「地域におけるIoTの学び推進事業」評価委員
フォーブスコラムニストとしてForbes JAPANウェブにてコラム連載中。

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