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アンカリング効果

Last-modified: 2015-07-27 (月) 18:48:53 (305d)
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カテゴリー価格戦略購買行動・心理
アンカリング効果(Anchoring Effect)

 アンカリング効果とは、提示された特定の数値や情報が印象に残って基準点(アンカー)となり、判断に影響を及ぼす心理傾向のこと。
 行動経済学の分野で特に注目されるようになった。
 Anchoring Effect。

 船の錨(アンカー)が語源で、錨を降ろした船が繋がれた範囲しか動けないことと、顧客が情報を得ることで判断が基準点に縛られてしまうことを例えている。

 アンカリング効果は、顧客の購買行動に大きな影響を与えている要因のひとつである。
 例えば、30,000円のコートがあった場合、通常であれば顧客は製品の品質や利用価値に注目して、価格に見合ったものかどうかを検討して購買行動を行う。
 ところが、「通常価格58,000円→特別価格30,000円」と表示することで、先に提示した通常価格58,000円という情報がアンカーとなり、30,000円という価格に対して「28,000円値引きされている」という判断がなされ、お買い得に感じられるといったことがある。
 価格のアンカリング効果によって、顧客は購買判断の際、性能や品質以上に価格や割引率といった数字に注目するようになるのである。
 こうした価格判断は、衝動買いにも大きな影響を及ぼしていることがわかってきている。

 また、妥協効果と呼ばれる極端の回避性とアンカリング効果を組み合わせた手法もある。
 妥協効果とは、極端な高低の価格帯を避けて、無難な中間の価格帯を選びやすいという心理効果のことである。
 例えば、コース料理でAコース16,000円、Bコース10,000円というふたつの選択肢だけの場合は、顧客の選択は双方に分散することが多い。
 しかし、更に上のSコース30,000円という高品質・高価格のコースを設定することで、Sコースが高価格帯の基準になり、AコースとBコースに割安感が出て注目されるようになる。
 そして、安いコースを選んで失敗したくないという心理によって、妥協効果が働き、一番安いBコースが選択から除外される。結果として、中間の価格帯となったAコースが選ばれやすくなる。
 このように、非常に高価格なSコースをブラフとして設定することで、もともとは高価格であるAコースを無難な選択肢だと思わせることができる。
 この手法は、使用前の品質判断が難しい製品である自動車や家電製品、店ごとに価格設定が違うコース料理やエステティックサロンなどのサービスで、利益率の最も高くなる選択肢に集中させる為に、活用されることがある。

 アンカリング効果に関する、興味深い実験結果も報告されている。
 それぞれ100、1,000、10,000という数字の入ったカードを一枚だけ引いてもらい、その後、ボールペンの価格を予想してもらったところ、小さな数字を引いた人は低い価格を予想する傾向が、大きな数字を引いた人は高い価格を予想する傾向が見られたという。
 さらにボールペンの品質を評価してもらうと、小さな数字を引いた人からは書き味が悪い、安っぽいといった意見があり、一方、大きい数字を引いた人からは高級感がある、手が疲れにくいなどの意見があったという。
 直接関連の無いカードの数字でさえも、アンカリング効果の要因となり、価格判断や品質判断に影響を与えることもあるのだ。



⇒文脈効果

⇒プロスペクト理論

⇒気分一致効果

⇒ハロー効果

⇒シャルパンティエ効果